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『朝日のようにさわやかに』読了。
『図書室の海』以来、実に5年ぶりの短編集。
ホラーあり、ショートショートあり、不条理短編ありで前作に比べるとかなりバラエティ豊か。
その分、各話への好き嫌いははっきり分かれるかも知らん。

【水晶の夜、翡翠の朝】
『青に捧げる殺意』に収録。

【ご案内】
一気呵成に読んで正解のショート・ショート。不条理感満載のバッドなお話。

【あなたと夜と音楽と】
『「ABC」殺人事件』に収録。

【冷凍みかん】
もう何十年も前の事。
学生時代の仲間と旅行に出た「私」は途中の駅で売店のじいさんから冷凍みかんを託される。
この話、実は恩田さんの別の長編であらすじが語られているのを先に読んでいたので、ラストの展開も知っている。
なので中だるみとゆーか、拍子抜けするかなーと思っていたけど、予想を裏切って非常に面白かった。
何処で作られ、いつから手渡されてきたのか全くわからない冷凍みかんの存在感が何とも不気味でいい。
ラストで示される「世界のこれから」も、たった一文で書かれているだけに緊迫感が出ていていい。

【赤い毬】
私は一度だけ、母方の祖母に会った事がある。母は夢だと言うけれど、確かに会っている。
全体的に暗い色調で進む話の中、語り手が見る毬の赤さが印象的。流れるように進む、幻想的な1作。

【深夜の食欲】
深夜のホテル。ルームサービスを届けるため、若いボーイは客室へと向かう。
うーん。深夜のホテルの廊下の情景や、廊下に落ちている沢山の爪や髪の毛…と背景や小道具はいいんだが、いかんせんオチが読めないので拍子抜け。 

【いいわけ】
今朝はとてもいい天気だった。一人で気持ちよく起きられ、朝食も美味しかった。すがすがしい朝だったよ―。
人が大それた事をやらかすきっかけというのは、実は本当に何でもない事がほとんどなのかも。
しかし後書きでは「モデルは言わずもがな」とあったが、未だに解りません(汗)。

【一千一秒殺人事件】
バケモノ屋敷と呼ばれる古い家で一晩を明かす事になった2人の青年。
夜中を過ぎた頃、「それ」は唐突に始まった…。
怪談ちっくな雰囲気を漂わせつつ、実は結構シュールなお話。
冒頭の「星に殺された男の話」については、そーゆーオチかい!と(笑)。

【おはなしのつづき】
きのうはどこまで話したっけ?白雪姫のお話の続きだったね―。
後書きによれば「正式に児童文学としての依頼を受けた、初めての短編」なんだそう。
父親が子供に語りかける形式で、内容としてはなかなかいいんだけど、どういう視点で話を進めたかったのかがちょっと解りにくいかなー。

【邂逅について】
北の町、冬の晩。憂鬱な表情で少女はノートに書き続ける。
暗い部屋の中で綴られる、一人の少女の心象風景。

【淋しいお城】
淋しい丘の上に建っている淋しいお城。そこには淋しい王様が住んでいる。
お城に行く事が出来るのは「みどりおとこ」に攫われた、淋しい子供だけ。
語り口は優しいものの、内容はなかなかシビア。

【楽園を追われて】
高校時代の同級生の葬儀に出席4人の男女。死んだ同級生は、彼ら宛てに自筆の小説を残していた。
この短編集の中では唯一の(笑)「普通の」話。
登場人物の年齢が自分に近いせいか、どこか懐かしくて、それでいてほろ苦さも感じさせる。

【卒業】
薄暗い四畳半の部屋に閉じ込められた5人の少女。12時になればあたし達は16歳。卒業出来るのだ―。
実に珍しいスプラッタ風味のホラー短編。話の中の状況は全く解らないのに、妙に迫力があって一気に読み通してしまった。 

【朝日のようにさわやかに】
変わった注ぎ口を持つオランダのビール、そこから思い出される米国の天才トランペッター、心太の話、子供の頃に聞いた男女の不思議な声。
一見全く関係ない事柄が、それにまつわる思い出によって一つに繋がっていく。
こういう、人の頭の中だけで進んでいくような話を書かせると上手い人なんだよなぁ。
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